がん免疫療法

がん細胞と免疫

がん細胞と免疫

免疫の働き

私たちの体では、1日当たり約6,000億個の細胞が生まれ変わっています。
健康な人でも遺伝子の突然変異によって、毎日約5,000個のがん細胞が発生していますが、多くは体に備わっている「免疫」の働きによって排除されています。

がん免疫編集説

免疫は異物(非自己)を排除することから、1950年代より自分の変異細胞であるがん細胞も排除して生体を守る「がん免疫監視説」が提唱されていました。
しかし、免疫の働きがあるにもかかわらず、がん細胞が増殖してがんが発生することから、発がんからがんの進展にかかわる過程については、がんが免疫による攻撃・排除を回避するシステム「がん免疫編集説(cancer immunoediting)」があると考えられ始めています。

がん免疫編集説では、発がんと免疫の関係は「排除相」「平衡相」「逃避相」と呼ばれる3つの過程に分けられます。

排除相最初に体に現れた変異細胞(がん細胞)は免疫原性(免疫監視システムに認識される性質)が高いため、異物と認識した免疫細胞から攻撃を受けて排除されます
平衡相免疫原性の低いがん細胞は、攻撃担当の免疫細胞(T細胞・B細胞などのリンパ球)から異物と認識されないため攻撃されず、排除されることなく長期にわたって生存します。
逃避相がん細胞は増殖の過程で免疫を抑制する分子を積極的に取り込み、免疫による攻撃・排除から逃れる環境を構築していきます。
免疫監視から逃避して無限に増殖・進行することで「臨床的がん」を発症します。
そのため、実際に診察や検査によって見つかる「がん」は、既に「逃避相」の段階と考えられます。

免疫抑制環境を解除させると共に、免疫原性の低いがん細胞に対しても機能する免疫の働きを誘導して、がん細胞を攻撃・排除するために生み出されたのが、がんワクチンを主体とした「がん免疫療法」です。

従来のがんワクチンで使用されていた抗原は、正常な細胞にも僅かながら発現していたため免疫原性は比較的低いものでした。
近年では、免疫に抗原をより認識しやすくさせるため、がん細胞のみに発現が高い抗原である「ネオアンチゲン」が使われるようになってきています。
詳しくは、以下のページをご参照ください。

がん免疫サイクル

がんを発症する患者さまは、様々な障害によって「がん免疫サイクル」が上手く働いていない状態に陥っています。

  1. がん抗原の放出
  2. 樹状細胞によるがん抗原の提示
  3. 樹状細胞によるT細胞への抗原情報伝達と活性化
  4. T細胞のがん組織への移動
  5. T細胞のがん組織への接触
  6. T細胞によるがん細胞の認識
  7. がん細胞の攻撃・排除

免疫反応の活性化を維持し続けて「がん免疫サイクル」を円滑に巡回させることが、がん細胞の排除では重要なカギとなります。

NEOクリニック東京では、この「がん免疫サイクル」を円滑に巡回させることを目的に、複数の免疫療法を適切に組み合わせる「がん複合免疫療法」を提供しています。