がん免疫療法・がん複合免疫療法

がん免疫療法・がん複合免疫療法

がん免疫療法・がん複合免疫療法

がん免疫療法とは

❝がん免疫療法❞とは、免疫の力を利用してがんを攻撃・排除する治療法です。

がん統計(国立がん研究センター がん登録・統計)によると、1年間にがんに新しくかかった人(罹患数)は1985年以降増加しており、2020年には1985年の罹患数の約3倍にも上り、100万人を超えることが予測されています。
その一方で、医学のめざましい進歩により、生存率も上昇しています。

しかし、現在の標準治療である外科治療(手術)・化学療法(抗がん剤)・放射線治療を行っても、効果を得られない方が一定数いらっしゃいます。
こうした状況の中、新たな選択肢として、体に本来備わっている体内に侵入してきた細菌・ウイルスを排除する力「免疫」を利用した❝がん免疫療法❞が世界的に注目されています。

❝がん免疫療法❞は、従来の標準治療の適用が困難な難治性・進行性のがんに対する治療法として、近年、がん治療に大きな進展をもたらしています。現在では、遺伝子解析技術の飛躍的進歩を背景に、個々の患者さまの免疫応答、がん細胞、がん組織の環境などの特性を解析したうえで、患者さまごとに最適な❝がん免疫療法❞を提供する「Personalized Cancer Treatment(個別化がん治療)」の試みが始まっています。

NEOクリニック東京では、❝Precision Medicine(プレシジョンメディシン)❞の基本方針の下、患者さま一人ひとりに適した次世代型オーダーメイドのがん免疫療法「Personalized Cancer Treatment」を提供しています。

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がん複合免疫療法について

NEOクリニック東京では、❝Precision Medicine(プレシジョンメディシン)❞に基づき、ネオアンチゲンペプチドワクチン療法オンコアンチゲンペプチドワクチン療法を中心にがん免疫細胞療法サイトカイン療法免疫チェックポイント阻害療法分子標的療法などとも組み合わせ、患者さま一人ひとりに合った❝がん複合免疫療法❞を提供致します。

がん細胞に対する免疫療法には、大きく分けて以下の3つのタイプがあり、これらを適切に組み合わせることにより治療効果の最大化を図ります。

がんに対して免疫による攻撃力を高めるタイプネオアンチゲンペプチドワクチン療法
オンコアンチゲンペプチドワクチン療法
がん免疫細胞療法
サイトカイン療法
がんによってブレーキがかかった免疫の攻撃力を回復させるタイプ免疫チェックポイント阻害療法
がんによって生じた免疫抑制状態を解除させるタイプ・少量抗がん剤
・抗体療法
分子標的療法
がん免疫細胞療法(ネオT細胞療法[αβT細胞療法])
サイトカイン療法

当クリニックの医師による臨床研究・臨床試験・臨床レポート

がん複合免疫療法の流れ

ネオアンチゲンペプチドワクチン療法・オンコアンチゲンペプチドワクチン療法を主体とした、がん複合免疫療法の大まかな流れは次の通りです。

がん組織や標本あるいは血液を採取する

ネオアンチゲンペプチドワクチン療法の場合

手術あるいは生体検査でがん組織や標本あるいは血液を採取する

オンコアンチゲンペプチドワクチン療法の場合

血液を採取する

がん抗原の選定を行う

ネオアンチゲンペプチドワクチン療法の場合

ゲノム解析の結果を踏まえ、ネオアンチゲンの選定を行う

オンコアンチゲンペプチドワクチン療法の場合

血液検査の結果を踏まえ、オンコアンチゲンの選定を行う

ペプチドの合成

免疫賦活剤の混合

ペプチドワクチンの皮下接種

オプションとして、

  • 少量抗がん剤療法
  • 抗体療法
  • 分子標的薬
  • がん免疫細胞療法
  • サイトカイン療法
  • 免疫チェックポイント阻害療法

を組み合わせます。

がん複合免疫療法のスケジュール例

例1:ネオアンチゲンペプチドワクチン療法が中心治療の場合

ゲノム解析等約1ヶ月 手術あるいは生体検査でがん組織や標本あるいは血液を採取
ゲノム解析 / ネオアンチゲン選定
ゲノム解析期間中に行うオプション免疫抑制状態の解除
・少量抗がん剤 / 抗体療法
・分子標的薬 / サイトカイン療法
ペプチド合成約2週間~4週間
ネオアンチゲンペプチド合成
ワクチン接種約1.5ヶ月〜3ヶ月 免疫賦活剤を混合

ネオアンチゲンペプチドワクチン皮下接種

オプション・がん免疫細胞療法
・免疫チェックポイント阻害療法

例2:オンコアンチゲンペプチドワクチン療法が中心治療の場合

血液検査等約1週間~2週間 血液を採取
血液検査 / オンコアンチゲン選定
ペプチド合成約2週間~4週間
オンコアンチゲンペプチド合成
ワクチン接種約1.5ヶ月〜3ヶ月 免疫賦活剤を混合

オンコアンチゲンペプチドワクチン皮下接種

オプション・免疫チェックポイント阻害療法
・少量抗がん剤/抗体療法
・がん免疫細胞療法
・分子標的薬/サイトカイン療法

他の治療との併用について

「がん免疫療法」「分子標的療法」は、3大標準治療「外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法」と適切に組み合わせることで、相乗効果を生み出し、より効果的な治療となることが期待出来ます。
患者さまの診療情報をもとに検討を行い、最も効果が期待できる治療法や治療スケジュールを決定致します。

病期・目的別のがん複合免疫療法メニュー

NEOクリニック東京では、患者さまの病期や治療目的に応じた、ネオアンチゲンペプチドワクチン療法・オンコアンチゲンペプチドワクチン療法の「ペプチドワクチン療法」を中心治療とする❝がん複合免疫療法❞をご提供しています。
現在進行がんの標準治療を受けている方・抗がん剤が不応となった方・手術後の再発予防をお考えの方など、患者さま一人ひとりの病期や目的に応じた個別の治療計画を策定しています。
以下の治療メニューは一例です。実際の治療に使う薬剤およびスケジュールなどは、患者さまによって異なります。

まずはお気軽にお問い合わせください

がん免疫療法の種類について

がん免疫療法は免疫のさまざまな特徴を生かした、いくつもの治療法がありますが、その役割に応じて「免疫の働きにブレーキがかかるのを防ぐ治療」と「免疫の攻撃する力を強める治療」の2種類に分類することが出来ます。

免疫の働きにブレーキがかかるのを防ぐ治療

免疫チェックポイント阻害療法

薬剤の開発に貢献した本庶佑 氏が2018年ノーベル医学生理学賞を受賞したことで話題となりました。
免疫にブレーキをかける「PD-1」を抑えてリンパ球の攻撃力を回復させる薬剤で、一部のがんについては健康保険の適応がなされています。
健康保険の適用対象となるがんは、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫などです。

サイトカイン療法

サイトカインは細胞間の情報伝達作用を持つタンパク質で、特異的な受容体と結合すると免疫反応の増強、制御、細胞増殖、分化の調節などを行っています。

様々な種類がありますが、中でもNK細胞・T細胞を増殖・活性化する「インターロイキン2(IL-2)」が転移性腎臓がんで保険適用となっています。
マクロファージ・NK細胞を活性化させ抗腫瘍効果のある「インターフェロン(IFN)」は腎細胞がん、多発性骨髄腫、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病、悪性黒色腫、悪性脳腫瘍、皮膚T細胞性リンパ腫で保険適用となっています。
また、IL-6などの炎症性サイトカインは抗腫瘍免疫を抑制することがわかっており、これらを排除する方法も開発されています。

免疫の攻撃する力を強める治療

エフェクターT細胞療法

現在、国内で保険承認されているエフェクターT細胞療法は、「CAR-T(カーティー)療法」と呼ばれる、患者さまが持っているT細胞を取り出し、がん細胞の目印を見分ける遺伝子(CAR : キメラ抗原受容体遺伝子)を組み入れて増やしてから、再び体の中に戻す方法です。

CAR-T(カーティー)療法は一部の血液系のがんに対して行われます。
ただし、意識障害や様々な臓器で障害が起こるサイトカイン放出症候群が起こりやすいため、原則入院加療による治療となります。
また、固形がんに対しては、残念ながらその効果は限定的なものになります。

がんワクチン療法

がん細胞の目印(抗原)の認識力を高めることにより、免疫細胞を活性化させ、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。
原則的に保険適用外の自由診療となります。

ペプチドワクチン療法

がん細胞に多く発現する目印(抗原)である、タンパク質の断片「ペプチド」を利用します。
なお、攻撃の目印となるペプチドは200種類以上あり、化学的に合成してワクチンとして活用します。

ペプチドワクチン療法では、ペプチドを免疫賦活剤と共に直接体内に投与します。
投与したペプチドが樹状細胞などに取り込まれ「がん抗原」として認識されると、リンパ球などの免疫細胞が活性化し、同じペプチドを発現しているがん細胞への攻撃を行い、排除します。
なお、近年では「がん細胞」に発現が高いペプチドを利用したがん免疫療法「ネオアンチゲンペプチドワクチン療法」が一部の医療機関で行われるようになっています。
非自己のネオアンチゲンペプチドを使用することで、より免疫に認識されやすくなり、がん細胞が攻撃されやすくなります。

樹状細胞ワクチン療法

患者さまの血液から樹状細胞の元を取り出します。
体外で樹状細胞に分化させ、がんの目印(ペプチド)を加えて「がん抗原を持った樹状細胞ワクチン」を作ります。
ワクチンを投与すると樹状細胞が体内で新たにリンパ球を活性化させるため、がん細胞を攻撃することが可能となります。

がん免疫療法の変遷

1990年代前半までに開発されたがん免疫療法(免疫賦活剤・サイトカイン療法・活性化リンパ球療法・NK細胞療法など)は「非特異的免疫療法」として、体全体の免疫を高める治療法でした。

1990年代後半になると、ペプチドワクチンや樹状細胞ワクチンなどのがんワクチンが登場し始め、がん細胞だけを狙う「特異的免疫療法」の時代へと進化しました。
現在では、ゲノム解析などの技術の進歩に伴い「患者さま個人のがん細胞」をターゲットにしたネオアンチゲンの活用による「個別化されたがんワクチン治療」が行われるようになっています。

第1世代(1970年代~)免疫賦活剤
第2世代(1980年代~)サイトカイン療法
第3世代(1980年代~)活性化リンパ球療法・NK細胞療法
第4世代(1990年代~)オンコアンチゲンペプチドワクチン療法
第5世代(現在)ネオアンチゲンペプチドワクチン療法

がん免疫療法のメリットとデメリット

近年、免疫反応の活性化を図ってがんを攻撃・排除する治療「がん免疫療法」が注目を集めています。がん免疫療法とは、免疫の力を利用してがんを攻撃・排除する治療法です。

メリット・自身の免疫力を利用するので比較的副作用が少ない
・標準治療(手術・抗がん剤・放射線)が効かないケースにも効果が期待できる
デメリット・免疫に働きかけるため、効果が現れるのに多少時間を要する
・健康保険適用外の自由(自費)診療となる場合が多い
(治療法・がんの種類によっては保険適用あり)

3大標準治療とがん免疫療法との関係

現在の3大標準治療は、多くの臨床研究の中から科学的根拠に基づき、選定されていますが、残念ながら治療の効果を十分に享受できない方も一部存在されます。
特に進行がんにおいては、標準治療では治癒出来ないケースが多々みられます。
そうした方々に対しても、本来人間の体に備わっている免疫力を活用する「がん免疫療法」は、標準治療とバランスよく組み合わせることによって相乗効果を生みだし、より効果的な治療となることが期待できます。

がん免疫療法の副作用

がん免疫療法では、一般的な化学療法(抗がん剤)で起こりやすい「吐き気」「脱毛」などの副作用は少ないと報告されています。
しかし、健康保険の適応が承認されている「免疫チェックポイント阻害剤」であっても、様々な副作用が起こる可能性はあります。

副作用の発生および副作用の程度には個人差があり、治療直後のみならず、治療後数週間~数ヶ月後に起こることもあります。
そのため、治療を行う前にあらかじめ想定できる副作用について医師に確認しておくことが必要です。
また、治療中は日頃からご自身の体調の変化に気を配り、いつもと何か違う感じがするときには、速やかに医師または看護師に相談することをお勧めします。